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ホーム 弁護士コラム 2014年掲載分 アベノミクス雇用規制緩和を斬る③ 有期労働者の無期転換権の「特例」

弁護士コラム

COLUMN

弁護士 増田尚
弁護士 増田尚

2014.03.22

弁護士 増田尚

アベノミクス雇用規制緩和を斬る③ 有期労働者の無期転換権の「特例」

2014.03.22

弁護士 増田尚

アベノミクス雇用規制緩和を斬る③ 有期労働者の無期転換権の「特例」

 労働政策審議会は、14日、「一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者」について、期限の定めのない労働契約への転換権が発生する期間を現行法の5年から最長10年に引き延ばすなどの労働契約法の特例措置について建議を行いました。
 このような特例措置は、もともと、安倍政権では、「特区」の名の下に導入をねらっていました。しかし、全国一律のルールであるべき労働法規において、「特区」のような一部企業にのみ適用することは問題があると批判され、いったんは引っ込めました。ところが、国家戦略特別区域法附則第2条において、高収入かつ高度な専門的知識などを有する有期契約労働者などを対象に、無期転換申込権発生までの期間などについて検討を行うととし、労働政策審議会に特例措置を検討させていたのです。
 労働政策審議会は、わずか5回の審議で、前記のような特例措置を盛り込むことを決めました。不安定な身分や低い処遇に悩む非正規労働者の声を十分にくみ取るのでなく、もっぱら、非正規労働者をコマのように使い捨てる企業の利益におもんぱかったものであり、拙速・ずさんというほかありません。
 また、「一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する」という限定も、あってないような曖昧なものです。名ばかりの「期間限定プロジェクト」「専門職」が横行することが目に見えています。
 そもそも、期間限定プロジェクトに対応しようと思えば、現行法でも、契約期間を延長すれば足りるのです。不十分ながら2012年改正によって認められた無期転換権の発生時期を遅らせ、雇用の安定を求める非正規労働者の希望を打ち砕く必要はどこにもありません。
 結局のところ、財界は、特区を突破口に全国規模で例外を設けさせて、さらに例外と原則を逆転させることにより、非正規社員を不安定かつ劣悪な処遇のまま使い続けようとねらうものです。ワーキングプアの解消という労働者の願いに背く規制緩和は許されません。

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