相談事例

交通事故

 後遺症が残らない事案の場合、ごく大まかに言えば、治療費、休業損害、入通院慰謝料が問題になります。各項目ごとに計算をして合算し、あなたに落ち度があれ ばその割合を考慮して減額し(過失相殺といいます。)、既に支払われた金額(病院に支払われた治療費も含みます。)を差し引きするというのが基本 です。
 問題になるのは、慰謝料です。これについては、①自賠責保険による基準、②任意保険会社の基準、③裁判所が準拠する基準があるとされており、③が一番高くなりま す。しかし、任意保険会社が提示してくるのは①又は②というのが通常で、③の基準は弁護士がつかなければなかなか採用されないのが実情です。

 

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 軽微な事故の場合、請求できる損害額が少額のことが多く、弁護士費用のこを考えて弁護士への依頼をためらうことがあります。
 しかし、最近は自動車保険に弁護士費用の特約が付いていることも多いので、まずは、あなたが加入している自動車保険 に、「弁護士費用特約」がついていないかを調べてみてください。またご家族の入っている自動車保険で、あなたの事故にも使える場合がありますので、同居さしている家族の自動車保険もお調べください。さらに、親と別居している未婚の子が被害者の場合、親の自動車保険の特約が使える場合があります。
 弁護士費用保険からは、相談料のほか、交渉や裁判を依頼したときの着手金・実費や報酬などが支払われます。ただし、金額の上限があることにご注意ください。

 請求できます。民法715条は「使用者は、事業の執行に関して被用者が第三者に損害を与えた場合、賠償の責任を負う」として、使用者(本件では会社)の責任を認めています。 つまり、運転者が会社の従業員の場合、仕事中(就業時間中)に事故を起こした損害賠償について、会社は損害を賠償する責任があるということです。もちろん、運転者個人は、民法709条により、損害賠償の責任を負います。

 未成年者による交通事故の場合、未成年者に自分の行為で責任が生じうることが分かる能力(責任能力)がない場合は、親が原則として責任を負います。
 また子に責任能力があるとされた場合でも、親の監督義務違反によって事故が生じたといえる場合は、親も責任を負うことがあります。
 自転車はとても便利な乗り物ですが、最近では歩行者との接触事故や他の自転車との衝突事故も増え、自転車運転者に高額の賠償責任を認める裁判例も出ていますので、日頃から、親子で自転車に乗る 際の交通ルールを確認しておかれた方がよいでしょう。また、自転車事故をカバーする保険に加入することも忘れないようにしたいものです。

 健康保険を使うことは被害者にとって不利なわけではありません。
 とくに事故の発生に被害者にも落ち度がある場合は、健康保険を使うほうが有利になります。
 保険会社が、健康保険を使うように求めてくるのは、交通事故の場合、健康保険を使わない場合(自由診療)の治療費が、健康保険を使った場合に比べて高額になるためです。
 健康保険を使うと病院が通常の保険点数の治療費しか請求できないだけで、通常、被害者が困ることはありません。加害者に対する請求は、治療費を含む項目を合算した額から被害者の過失を考慮し(過失相殺といいます)、支払い済みの額(治療費も含まれます)を差し引いて計算するため、飛び出しや交差点などの事故で、被害者にも 落ち度がある場合は、治療費が高いとそれだけ賠償金が減額されること になり、健康保険を使ったほうが、かえって被害者に有利になります。

 自転車は、道路交通法上は「軽車両」にあたり、原則として歩道ではなく車道を走らなければなりません。例外として、歩道通行許可の標識があるところや、13歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、身体の不自由な方が自転車を運転する場合、安全確保のためやむを得ない場合などには、歩道を通ることができます。
 その場合でも、歩行者が優先されますので、歩道の車道側を徐行(すぐに停止できる速度)し、歩行者の通行を妨げるおそれのある時は一時停止をするなど気をつけなければなりません。
 ご質問の事故では、仮に歩道を走ることができる場合であったとしても、交差点付近での一時停止義務を尽くしていなかったとされ、自転車運転者の過失が認められそうです。

 軽微な事故の場合、請求できる損害額も少額のことが多く、なかなか弁護士に依頼しづらいものです。このような事案では公益財団法人日弁連交通事故相談センターの示談あっせんという方法があります。
 この手続を利用すると、弁護士が両当事者の間に入ってあっせん案を出してくれます。両当事者が了解しなければあっせんは不成立に終わりますが、相手方がセンターと協定を結んでいる自動車共済の場合は、さらに審査を求めることができ、自動車共済はその審査結果に拘束されることになります。
 ただし、注意して頂きたいのは、センターへのあっせん申立そのものには時効の進行を止める効力がないということです。
 また、事案によっては、裁判をしたほうがよい場合もありますので、手続きを選択されるときには一度弁護士等にご相談下さるほうが安全です。
【ひき逃げ事故に遭ってしまった】

 道路を横断中、自動車にはねられ重傷を負いましたが、加害車両がそのまま逃げてしまいました。ナンバーも記憶しておらず、加害者がわかりません。泣き寝入りするほかないのでしょうか。

 このような場合、政府(国交省)が行っている自動車損害賠償保障事業を利用することができます。
 請求の手続きや必要書類は、通常の自賠責保険を利用する場合と変わりません。また、書類の提出先はどこの損害保険会社でもかまいません。
 ただし、他に社会保険給付が受けられるのであればまずそちらを優先する(たとえば、事故が労災にもあたる場合は、労災給付を先に受ける)、国交省が審査をすることになり、通常の自賠責保険利用の場合に比べて手続きに時間がかかるなどの違いがあります。
 なお、この制度は、加害者が自賠責保険に加入していなかった場合にも利用することができます 。

【示談後に生じた後遺症】

 交通事故にあい示談をしました。示談をしたときには、軽傷で医師の診断も全治15日間とされていたため、通院中に示談をしました。ところが、事故後1ヶ月以上たってから傷は予期に反して重傷であることがわかりました。一度示談をしてしまえば、それ以上の賠償を求めることができないのでしょうか。

 一般に損害賠償の示談においては、被害者が一定額の支払いを受けることで満足し、その余の損害賠償金を放棄したときは、被害者は、それ以上の損害が存在したとしても、あるいは、それ以降に損害が発生しても、事後的に示談金を上回る損害についての賠償を請求できないとされています。
 しかし、事故による全損害を正確に把握できない状態で示談が成立した場合には、それにより放棄した損害額は、示談当時予想していた損害についてのみであり、当時予想できない損害がその後発生した場合、判明した場合はその損害まで放棄したとは言えないとされています(最高裁判所昭和43年3月15日判決)。
 これによると、その後発生した損害が、示談当時予測できなかった場合には、その損害について請求できる可能性があります。

【交通事故における[過失相殺]とは】

 交通事故を起こしてしまいました。相手方から損害賠償請求を受けていますが、先方にも落ち度があると思います。そういった場合、こちらが責任を負う賠償額の範囲を限定することはできないでしょうか。

 

 事故の態様によって、傷害などの被害を受けた側にも事故発生について落ち度(過失)がある場合には、加害者に対する損害賠償請求額から、被害者の過失に応じた割合で賠償額が減じられる制度を、「過失相殺(かしつそうさい)」といいます。

 その割合については、過去の裁判例などから、類型的な過失割合がガイドラインとして確立して市販の本にも掲載されています。事故車両の種類(四輪車、バイク、歩行者など)、信号や横断歩道の有無、道路の幅、双方の進行方向などで場合分けや特別事情による割合増減などが詳細に決められていますので、それを参照すると裁判になった場合の見通しを立てることができます。

【自賠責保険への被害者請求について】

 交通事故の場合、自賠責保険と任意保険があるのは知っているのですが、自賠責保険に対して被害者が直接請求することもできると聞きました。どういった場合に、この制度を使うのでしょうか。

 加害者が任意保険に加入している場合は、任意保険会社の担当者と示談交渉をすることが多いので、自賠責保険に対して被害者が直接請求することは、あまりありません。他方、加害者が任意保険に加入していない場合は、加害者が自ら支払いをしてくれなければ、被害者は直接、自賠責任保険に対して請求するほかありません(ただし、人身損害のみ、物損は対象外)。

 任意保険に加入している場合でも、加害者側が過失を否認したり、おおきな過失相殺主張をして早期に支払を受けることが難しい場合や被害者側にも重大な過失がある場合などでも被害者請求の制度は利用されています。

 ただし自賠責保険で支払われる保険金額は、傷害では上限が合計120万まで(死亡3000万円)と制限されており、また治療費以外は必ずしも実額が支払われないことがあるので、実際の損害額との差額不足分は、別途、加害者又は加害者の任意保険に請求することになります。

 なお、加害者が自賠責保険に入っていない場合、政府が代わって自賠責保険と同等の賠償をしてくれる制度もありますので、お困りの場合は弁護士にご相談下さい。

 

【後遺障害の等級認定はどのようにするのですか。不服の場合の方法は】

 交通事故によって後遺症が残ってしまいました。後遺症には内容・程度によって、等級が分かれていると聞いていますが、誰がどのような手続でこれを判断するのでしょうか。その判断に不服がある場合は、どうしたら良いのでしょうか。

 後遺障害が残った場合、その障害の等級に応じて、労働能力喪失率や慰謝料金額が決まってきます。裁判になる前は、損害保険料率算出機構という国土交通省傘下の機関が等級認定を行います。医師が作成した後遺障害診断書を示談交渉中の任意保険会社を通じて、同機構に提出する(事前認定)場合もあれば、被害者が直接、自賠責保険の会社を通じて被害者請求をして認定を求めることもできます。

 非該当になったり、認定された等級に不服があれば、保険会社を通じて異議申立をすることができます。その場合、新たな医師の意見書や資料をつけて異議理由を書いて提出することになります。

 いずれの場合も、被害者は、後遺障害診断書のコピーは必ず取っておくことが必要です。

 

 裁判になった場合、裁判所は独自に後遺障害を認定します。裁判所は裁判外で行われた後遺障害認定を参考にしますが、必ずしもその判断に拘束されないという建前になっています。裁判所が行った後遺障害の判断に不服がある場合は、上訴して上級裁判所での判断を求めることになります。

【交通事故による損害賠償に時効はありますか】

 交通事故に遭いました。相手方に損害賠償を請求したいのですが、時効というものがあると聞きました。いつまでに請求をしなければならないでしょうか。

 交通事故による損害賠償請求権は、被害者(死亡事故の場合は相続人)が「損害及び加害者を知った時」を起算点として3年間行使しないときは時効によって消滅します(民法724条前段、自賠法4条)。

 問題になるのは、いつから3年を数えるかということですが(起算日)、傷害による損害(治療費、休業損害、入院慰謝料など)は事故日から、後遺障害による損害は症状固定日からと理解しておけばいいでしょう。

 

 ただし、2020(令和2)年4月1日以降に発生した交通事故については新しい民法が適用され、時効の期間は5年になります。

 

 

 

【交通事故による損害賠償の時効をとめる方法はありますか。】

 加害者に対する損害賠償請求権も一定の期間が経過すると、時効で消滅してしまうと聞いています。こうした時効の進行を止めるには、どうしたら良いのでしょうか。

 民法に定められた時効中断事由があれば、消滅時効は中断します。

 交通事による故損害賠償請求権で主に問題となる中断事由は「請求」と「債務の承認」です。

 

 「請求」とは、裁判上の請求、すなわち、法的手続により請求することです。訴訟(裁判)の提起が代表的なもので、裁判所に訴状を提出した日に時効は中断します。法的手続をとらずに、裁判外で請求することを「催告」といいますが、相手方のもとに請求書が届いた日に時効は中断しますが、催告をしてから6ヶ月以内に裁判などの法的手続をとらないと時効中断の効力を失います。

 

 「債務の承認」とは、被害者に損害賠償請求権があることを、加害者が認める行為です。

 口頭で認めることも「債務の承認」と言えます。加害者の任意保険会社からの支払は、債務の承認にあたりますが、自賠責保険への被害者請求をしても、債務の承認には当たりません。

 

 ちなみに、2020(令和2)年4月1日から新しい民法が施行されます。基本的な仕組みは変わりませんが、時効の「中断」ではなく、「更新」と呼ばれることになります。

【逸失利益の計算と民法改正】

 2020年4月から新しい民法が施行され、法律が定める利息が5%から3%になり、かつ変動金利になると聞きました。交通事故の場合に、どのような影響が生じるのでしょうか。

 影響が生じるのは、2020年4月1日以降に発生した交通事故により後遺障害が生じたり、死亡した場合です。

 後遺障害又は死亡による損害の一つに「逸失利益(いっしつりえき)」があります。これは後遺障害が残ったり亡くなることによって、それだけ労働能力が失われ、得られたはずの収入が得られなくなる損害を補填するものですが、その際「中間利息の控除」がなされます。本来なら収入は年々得ていくはずのものであるのに、交通事故による損害賠償では将来分も含めて一括して賠償金を受け取ることからなされる調整です。

 「中間利息の控除」は法定利率によるとされており、従来は、年5%を前提に計算がなされてきました。

 改正民法は、変動金利制を採用しつつ、当初の法定利率を年3%としていますので、2020年4月1日以降に発生した交通事故については、通常、年3%を前提とした「中間利息の控除」がなされることになり、結果として、逸失利益の金額は従来方法の計算よりも大きくなります。

 なお、制度として変動金利制が採用されたとは言え、金利変動のハードルは極めて高く、住宅ローンのように頻繁に変わることはありません。また、損害賠償請求権が発生した時期の金利で固定されますので、万一、その後金利変動があっても変わりはありません。

【知人に車を貸したら、事故を起こしてしまった】

 自分名義の自動車を知人に貸したところ、知人がその車で交通事故を起こしてしまいました。知人は任意保険に入っておらず、十分な支払いができなかったため、被害者が私に請求をしてきました。私は、支払わなければならないのでしょうか。

 自動車損害賠償保障法3条は、「自己のために自動車を運行の用に供する者」(運行供用者)は、交通事故により生じた損害を賠償する責任があるとしています。具体的には、自動車を管理している人や、運転者に対して指導や管理ができる人、自動車の運行(走行)から利益を受ける人などがこれに当たり、他人が起こした事故であっても、一定の範囲で損害賠償責任を負い、被害者からの請求に応じなければなりません。
 知人に自動車を貸した場合、無償で貸した場合であっても、責任を負うことがあります。
 知人に自動車を貸す際には、その知人が十分な保険に入っているか、あるいは自己の保険が他人が運転していた場合にも適用されるか、よく確認することをお勧めします。

 

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