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ホーム 弁護士コラム 2026年掲載分 成年後見制度の改正

弁護士コラム

COLUMN

弁護士 青木佳史
弁護士 青木佳史

2026.01.26

弁護士 青木佳史

成年後見制度の改正

2026.01.26

弁護士 青木佳史

成年後見制度の改正

 日本の成年後見制度が始まって25年。現在、大幅な見直しが検討されており、2026年2月には改正要綱案が法務省の法制審議会でまとまる見込みです。当事務所の弁護士青木佳史は、法制審議会民法部会(成年後見関係)の委員として、令和6年4月から30回以上にわたる審議に関わってきました。そこで、那須弁護士から青木弁護士に改正のあらましについてインタビューしました。

 

那須  青木 

 

那須:最近、成年後見制度が25年ぶりに大きく見直されるというニュースを聞きました。今の制度には何か問題があるのでしょうか?

青木:はい、現行の制度には主に4つの大きな課題があると考えられています。それは「終わらない」「広すぎる」「制約される」「代わらない」という点です。

那須:具体的にはどういうことですか、もう少し詳しく教えていただけますか?

青木:わかりました。

 

「終わらない」

まず、現在の制度では、制度を利用するきっかけとなった特定の課題(遺産分割や契約など)が解決しても途中でやめることができません。たとえ家族の支援体制が整ったり、本人の周囲の環境が改善して制度の必要がなくなったと思っても、本人の判断能力が回復しない限り、一生使い続けなければならないのが原則です。

 

「広すぎる」

現行制度では、ある一つの手続きのために後見人が必要になっただけでも、本人の権利を制限する範囲が、必要以上に広くなってしまうという問題があります。たとえば、親の遺産分割のためにやむを得ず後見人を選任した精神障がいのある方のケースですと、ご本人は日常的な金銭管理や福祉サービスの契約などは自分で判断できる能力がありましたが、後見人が就いた途端、すべての金銭管理や契約に関する権限が後見人に発生してしまいました。このように、本人が自分でできることまで一律に制限されてしまう点が、自律の妨げになっていると指摘されています。

 

「制約される」

後見人が「本人のため」を思うあまり、結果として本人の意思や自己決定を無視してしまうことがあります。たとえば、施設に入所している知的障がいのある方が、長年の準備を経てグループホームでの地域生活を望んでいるケースがあります。ところが親の死後に選任された後見人が、地域生活のリスクを心配し、本人の希望に反して施設退所の手続きやグループホームの契約を拒否してしまいました。これは本人の意思に反して、「本人の利益」を後見人がその価値観で勝手に判断する「代行決定」の弊害です。

 

「代わらない」

現在の運用では、本人の生活環境やニーズが変わっても、一度選ばれた後見人を、途中で柔軟に交代させることが困難です。本人のニーズの変化に応じきれないことが制度の使いにくさにつながっています。

 

那須:なるほど。本人を守るための制度が、時として本人の自由や意思を縛る「重荷」になってしまっていたのですね。それは利用者にとってかなり負担が大きそうですね。なぜこのタイミングで、大きな見直しが行われることになったのでしょうか?

青木:現行制度のこうした課題について第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4年3月閣議決定)において整理され制度の見直しが提起されるともに、「障害者権利条約」という国際的なルールに基づく勧告があったことも大きなきっかけとなっています。

那須:どのような勧告があったのですか?

青木:日本は2014年にこの条約を批准しましたが、2022年に国連の委員会から日本政府に対して日本国内の状況についての「総括所見」が出されました。この中で、今の日本の制度のある本人のした行為を他人が取り消すことができる制限行為能力制度と「本人の代わりに誰かが決める代理・代行の仕組み」が、本人の自律を妨げ、法律の前の平等を否定していると指摘され、民法を改正することが勧告されたのです。

那須:なるほど、世界基準で見ると、今の日本の制度は「本人の意思」を制限しすぎていると判断されたのですね。具体的には、改正によってどのように変わるのでしょうか?

青木:一言で言えば、「適切な時機に、必要な範囲と期間で利用する制度」への転換です。これまでは「判断能力が不十分かどうか」だけで制度の内容が決まっていましたが、改正後はそれだけでは決まらず「具体的な必要性」があるかに基づいて権限が定められることになります。また、他の手段では対応できないかという「補充性」も考慮されます。

那須:必要な時だけ、必要な分だけ使うということですね。具体的に何ができるようになるのでしょうか?

青木:主な改正のポイントは、以下の通りです。


1 オーダーメイドの権限付与
 全員に一律の権限を与えるのではなく、本人の必要性に応じて、特定の事項ごとに代理権や同意権・取消権を付与するようにします。


2 「終わることができる制度」へ
 利用の必要性がなくなれば、判断能力に変化がなくても、途中で終了(取消)することができるようになります。


3 定期的な見直し
 家庭裁判所が必要性を定期的にチェックする機会を設け、不必要に長期化することを防ぎます。


4 後見人の交代(解任)を柔軟に
 「本人の利益のために特に必要な場合」には、裁判所の判断で、後見人の職務に違反はなくても、交代できる制度が創設されます。
 
那須:本人の意思はこれまで以上に尊重されるようになるのでしょうか?

青木:もちろんです。改正案では、制度利用には、原則として本人の同意があることを求めるとともに、後見人が事務を行う際には、本人に適切に情報提供を行い、本人の「意向」を把握するようしなければならないことが明文化されます。直接に意思を確認するのが難しい場合も、過去の価値観などから本人の好みを推定することも求められます。また、後見人を選任する際にも「本人の意見」を重視することが確認される予定です。

那須:本人の尊厳と自律をさらに充実しようとしているのですね。

青木:ちなみに、包括的な代理権や取消権を持つ「成年後見」の制度は廃止されますので、「後見」「保佐」という呼び名はなくなり、これからは「補助制度」と呼ばれ、「補助人」が選ばれることになります。

那須:「補助制度」ですか。名称も含めて大きく変わるのですね。福祉の現場との連携も変わりますか?

青木:はい。民法の改正とあわせて、社会福祉法の改正も一体的に進められています。例えば、判断能力が不十分な方や頼れる身寄りのない高齢者などのために、日常的な金銭管理や入院・入所手続などを支援する「新たな権利擁護事業」を全市町村で整備することが想定されています。これにより、「補助人」をつけなくても、地域の福祉サービスで支えられる仕組みを強化しようとしています。

那須:この新しい制度はいつから始まる予定ですか?

青木:現在の予定では、令和8年(2026年)の通常国会で改正法の成立を目指しています。その後、周知や準備期間を経て数年後に施行される見込みです。

那須:なるほど。本人の意思決定支援を充実しながら、柔軟に支える仕組みに生まれ変わるのですね。

青木:その通りです。これまでの制度が「転ばぬ先の杖」として常に持たされて、本人の動きを制限してしまうものだったとすれば、新しい制度は「段差がある時だけ差し出され、平坦な道では本人の自律に任せるサポート」のような存在を目指していると言えます。

那須:そうなるといいですが、実際の運用はうまくいきますか?

青木:大事なことは、改正される新しい仕組みは、いわば「新しい入れ物」です。いい「入れ物」ができたとしても、それに相応しい「中味」を入れられるかどうかは、各地の運用と実践になります。これから施行まで、国だけでなく、都道府県や市町村が、各地域の体制を整備し、各地の家裁も体制や運用の充実をはかっていくことがとても大切です。

那須:たしかにそうですね。制度が始まるまでの準備に私たちの事務所も取り組んでいきたいですね。

青木:2026年2月に改正要綱がまとまった段階で、新しい制度の詳しい内容について、私がホームページで解説を書かせていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

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