2026.03.19
弁護士 那須幸実
インターネットの定期購入トラブルにご注意
春のぽかぽか陽気に照らされていると、何だか開放的な気分になって、インターネットでぽちっとお買い物したくなりますよね。しかし、気がつかずに定期購入の契約をしてしまい、なかなか解約できないといったトラブルが相次いでいます。
そんなトラブルに巻き込まれないための、対策方法をお伝えいたします。
〇定期購入トラブルの典型例(架空の事例です)
Xさんは、インターネットを見ていて、ある健康食品の広告画面を見つけました。
「通常1万円の商品が、初回限定で1000円!」。Xさんは、「これは買いだわ」と思いその商品を購入しました。
しかし、Xさんの自宅には、商品が届いた1か月後に、また同じ商品が届きました。1回しか購入していないのにおかしいと思い、Xさんが販売店に問い合わせたところ、「初回を含め、5回の定期購入コースになっています」。と言われました。そんな契約はしていないと抗議すると、「解約するには、解約料3万円が必要です」と告げられました。
ところが、Xさんが商品を購入したとき、最終確認画面には「5回の定期購入コースとなっています」「途中で解約する場合、解約料3万円が発生します」とは記載されていませんでした。
Xさんは、契約継続に応じなければならないのでしょうか。
大丈夫です。特定商取引法という法律に、このようなトラブルから消費者を守るルールが定められています。
〇契約内容を「ごまかさず」に表示する義務
販売店側は、以下の情報を、正確に表示しなければなりません(特定商取引法12条の6第1項、11条各号)。嘘の表示をするのも、もちろん禁止されています(同法13条の2)。
①分量:商品の数量、提供回数など。
②対価:合計でいくら払うのか。
③支払い時期・方法:いつ、どうやって払うのか。定期購入の場合は各回の請求時期も。
④商品発送時期
⑤申込の撤回、契約の解除に関する事項
等です。
Xさんの場合、「5回の定期購入コース」であり、「解約料3万円が発生」するという事実が、購入の最終確認画面を含め、どこにも表示されていませんでした。
そのため、販売店は①提供回数、②5回合計でいくら払うことになるか、③契約の解除に関する取り決めなどを表示する義務に違反していることになります。
〇結局、Xさんはどうすればいい?
販売店が表示すべき事項を表示せず、消費者が表示されていない事項が存在しないと誤認した場合、消費者はその契約を取り消すことができます(同法15条の4の2号)。
Xさんのケースは、この条文に該当するので、販売店に対して契約の取消しをすることができ、違約金3万円を支払う必要もありません。販売店が、取消しに応じずに引落しを継続するような場合は、弁護士や消費者生活センターにご相談ください。
○トラブルに巻き込まれないために
上記の表示義務があることを頭の片隅において、最終確認画面にきちんと記載されているのか注意して購入するようにしましょう。証拠に残しておくために、最終確認画面のスクリーンショットを保存しておくのもおすすめです。
3月15日は「世界消費者権利デー」。消費者の権利(安全への権利、情報を与えられる権利、選択をする権利、意見を聴かれる権利)を促進するための記念日です。新しいことを始めたくなるこの季節、落とし穴や、自分を守る制度を知って、賢くお買物を楽しみましょう!
