運転者が、自動車を社用に使用している際に、第三者に被害を与えた場合、運転者はもちろん、運転者の使用者も賠償責任を負います。
民法715条1項は、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と定めており、使用者も責任を負います。従業員を使用することにより、事業を拡大して、利益を得ているのですから、そのことによって第三者に被害を与えた場合に、これを補償することは当然です。
使用者と運転者個人の責任は連帯責任の関係にあると考えられており、運転者個人が十分に支払う資力がない場合などは、特に、使用者から賠償金を全額回収して、被害回復を全うする必要性が高いといえます。
ことのはぐさ

2019.06.16 弁護士 増田尚|運転者の加害行為についての使用者責任