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ホーム 弁護士コラム 2021年掲載分 「給与ファクタリング取引」について

弁護士コラム

COLUMN

弁護士 横山精一
弁護士 横山精一

2021.06.01

弁護士 横山精一

「給与ファクタリング取引」について

2021.06.01

弁護士 横山精一

「給与ファクタリング取引」について

 給料の一部をその金額よりも安い金額で売る形を取った取引があります。たとえば、給料日前に、給料の内6万3000円を代金4万円で売り給料日に6万3000円で買い戻すといった取引です。このような形を取った取引は、「給与ファクタリング」と呼ばれ、業者は、「これは、金の貸し借りではない」と主張しています。


 もし、今年の7月22日に、4万円を借りて、給料日である8月15日に6万3000円を返す貸金契約を締結した場合、この契約は無効になります。
 なぜならば、この契約では、6万3000円と4万円の差額である2万3000円が利息になりますが、この利息は、年利で800%以上になり、貸金業法が定める年109.5%を大幅に上回り、法律に違反する契約になるからです。また、この借金は出資法にも違反し、犯罪にもなります。
 そこで、表向きは、お金の貸付の形にならないかのように装ったものが「給与ファクタリング」という取引です。


 この「給与ファクタリング取引」について、2020年3月24日、東京地裁で判決が下されました(判例時報247号47頁以下)。
 この裁判で、裁判所は、この取引は、「経済的に貸付と同様の機能を有する金銭の交付」にあたり、貸付業法、出資法の規制の対象になるとしました。よって、この取引は、法律に違反し無効であり、この取引について、借主は業者に対して、実際に借りたお金についても、支払をする必要がないとしています。

 

 上記の例でいうと、業者がいくら「金の貸し借りではない」と強弁したとしても、6万3000円の支払いをする必要もないし、実際に受け取った4万円についても、業者に返す必要がないことになります。


 「給与ファクタリング」というわかりにくい形を取っていますが、これは、従来高利貸しやヤミ金と呼ばれた業者の取引と実質的には同じです。
 ですから、このような取引に巻き込まれた時には、すぐにでも弁護士に相談することをおすすめします。

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