ことのはぐさ

2022.08.08 弁護士 小林保夫|自賠責保険・異議申立 後遺障害非該当から併合12級認定へ


 私が扱っている交通事故事案について、調査事務所の当初の「後遺障害非該当」の判断に対し、異議申立を行ったところ、奈良の調査事務所から近畿本部に移送され再検討が行われた結果、同本部において、後遺障害(併合12等級)に該当するとの逆転の認定を得たものです。
 なお訴訟は、異議申立に対する判断待ちで中断していましたが、この認定を受けて、進行を図ることとなりましたが、私の依頼者である原告にとって有利な展開を見ることになるでしょう。

 事故は、当方は普通乗用自動車、相手方はこれも普通乗用自動車で、相手方が当方の自動車後部に追突したというよくある事案です。
 しかし、当方の運転者は、両膝関節、腰部に傷害を負い、結局長時間の座位、立位が不可能となり、大工として営んでいた建築業を継続することが出来ず、廃業を余儀なくされました。
 加療を継続しながら裁判を提起したのですが、かかりつけ医の症状固定との診断をふまえ、後遺障害診断書の作成交付を受け、当然ながら自賠責保険の給付を受けるべく申請をしました。
 ところが、調査事務所から「後遺障害非該当」との通知を受けることになりました。
この判断については、後遺障害診断書を書いた医師は、「やむを得ない判断である」として、異議申立に際して調査事務所の判断に対する意見書の作成・提出には応じてくれませんでした。
そこで、私は、あらためて他の専門医を探すのも大変なので、同医師による長期間の診療録や映像を踏まえ、気乗りのしない様子の同医師の簡単な解説を参考にしながら、
 ①調査事務所の判断の中に、いったん「障害」の存在を否定しながら、結論としては 「障害」の存在を認めていることになる判断部分があることを見付けてこれにしつこく言及し、それが「将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いことから、自賠責保険(共済)における後遺障害には該当しないものと判断する」とした点が前後矛盾する判断である
 ②また「将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難い」としながら、どの程度の将来において回復するのか示さないのは無責任な判断である
として、もっぱらこの2点を中心に「専門家」ふうの「意見書」を作成し、提出したのです。
 結果は、前述のように逆転の認定を受けることになりました。
 予想外の判断でしたが、今思えば、私の意見は十分正当で、根拠のある意見であったと考えている次第です。


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