ことのはぐさ

2025.09.05 弁護士 冨田真平|カスハラ対策が義務化されます


 最近「カスハラ」という言葉を耳にすることがありませんか?「カスハラ」とは「カスタマーハラスメント」の略称です。
 このカスハラについて、今年6月の法改正により、雇用主が労働者のためにカスハラ対策を行うことが義務化されることになりました。施行日はまだ発表されていませんが、遅くとも来年度中には施行されることになります。そこで、カスハラとは何か、どのようなことが雇用主に義務づけられるかについてご紹介します。

1 カスハラってなに?
 そもそもカスタマーハラスメント(カスハラ)とは何でしょうか?
 典型的なものとしては、客が店員に対して暴言を吐く、土下座を強要する、あるいは長時間電話で拘束することなどがカスハラにあたりますが、法律上は、次の①~③の3つの要素を満たすものがカスハラととされています。
①職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動であること
②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものであること
③当該労働者の就業環境を害するものであること

この中で特に問題になるのは②ですが、例えば、顧客から従業員に対して様々な要求をする場面では、その要求の内容が妥当なものなのかどうか(その従業員の本来の職務の範囲を超えているものか)、要求の仕方が社会通念上相当なものなのかどうか(脅迫や長時間に及ぶものかなど)がポイントになります。

2 雇用主はどのような義務を負うのか?
 今回の法改正により、雇用主は、雇用管理上必要な措置を講じる義務を負うことになりました。
 具体的な措置の内容については、今後厚労省の指針が示される予定ですが、厚労省によれば、セクハラやパワハラと同様に
・事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
・相談体制の整備・周知
・発生後の迅速かつ適切な対応・抑止のための措置
などが義務づけられることになります。
 したがって、カスハラについてどういう方針をとるのかきちんと明確化し、従業員が相談できる窓口を設置することが必要となります。
 カスハラ対策に悩んでいる方、実際にカスハラ被害に遭われた方がいらっしゃいましたら、一度弁護士に相談されることをおすすめいたします。


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