2026.02.02
弁護士 坂田宗彦
父母以外の親族と子どもの交流
祖父母と孫との面会については、令和3年3月の著名な最高裁決定があります。別居中の父と母とが、互いに子の監護をし、母方の祖父母もその監護に協力していたところ、母が亡くなり、父がもっぱら子の養育にあたっていたという事案でした。子どもに会えなくなった祖父母が、裁判所に面会交流を申し立てたのですが、最高裁判所は、父母以外の第三者は、事実上、子の監護した者であっても、面会交流の審判を申し立てることは出来ないと判断しました。
もちろん、当事者間の話し合いで面会交流がなされることはかまわないわけですが、その話し合いが不調に終わった場合、従来は、祖父母らと孫との面会交流について、裁判所では門前払いとなっていたのです。その理由はつぎのようなものです。本来、面会交流は父母間で解決すべきことして、法律上は父母のみに裁判所への申立を認めています。それ以外の親族に面会交流の申立権を拡大すると、それら親族からの申立に対して、子と同居する親の応訴の負担が大変であるということにありました。そのため、父母以外の親族の申立については、立法による解決を待つこととなりました。
令和6年5月に、民法等の一部が改正され、共同親権の導入などの重要な改正がなされましたが、父母以外の第三者と子との面会交流が新たに定められることとなりました。改正内容は、「子の利益のために特に必要があると認めるとき」に限って、祖父母らの面会交流を認めるというものです。
少し詳しい説明を加えます。
まず、申立の要件として、補充性の要件、すなわち祖父母らの面会交流にあたって、他に方法のないときという要件が求められます。本来、子との面会交流は、父または母による申立により実現することが相当であるという立場から、例えば、父母の一方の死亡や行方不明によって、それが困難な場合に申立を限るということです。
また、祖父母、兄弟以外の者からの申立については、監護実績の要件、つまり過去、子を監護していたという実績がさらに求められます。
つぎに面会交流が認められる実体的要件である「子の利益のために特に必要があると認めるとき」についてですが、裁判所に申立に至るということは、その親族と子の同居親と争いがある状況なので、子の利益のために特に交流の必要性が高い場合に限るという趣旨から、親子関係に準ずるような親密な関係性があることが必要とされます。
このように祖父母らの面会交流申立がもうけられたといっても、面会交流までには相当高いハードルがあります。それはひとえに子の利益を考えるためとされています。
