ことのはぐさ

2019.09.23 弁護士 森 信雄|シリーズ相続法改正②~相続人以外の親族の貢献に報いる新しい制度(特別寄与料)~


 シリーズ相続法改正第2回目の今回は「相続人以外の親族の貢献に報いる新しい制度(特別寄与料)」について解説します。

 

(事例)

2019年9月、Xさんが亡くなりました。夫とは20年前に死別しています。
 Xさんには、長男Aさん、二男Bさんという二人の子がおり、Aさんとその妻Yさん(二人の間に子どもはいません)が同居のXさんの世話をしていましたが、Aさんは2010年4月に亡くなっています。Yさんはその後もXさんと同居して、Xさんの世話をしてきたのです。
 Bさんは独立して所帯を持っています。
 Xさんの遺産はどうなるでしょうか?

  

 これまでの民法であれば、Xさんの遺産はすべてBが相続し、Yさんは何ら権利を主張することができませんでした。

 被相続人の療養看護をした場合などにその貢献に報いる「寄与分」という制度がありましたが、利用できるのは相続人に限られ、YさんはXさんの相続人ではないためです。
 しかし、これではYさんがあまりにも気の毒です。

 そこで、2019年7月から、Yさんのような相続人以外の親族の貢献に報いるために「特別寄与料」の制度が設けられました。
 本件の場合、Yさんは、相続人Bさんに対して「特別寄与料」の請求をすることができます。
 YさんとBさんとの間で話し合いがまとまらない場合は、Yさんは家庭裁判所に金額を決めるよう申し立てることができ、家庭裁判所は、双方から事情を聴き、寄与の時期、方法、程度などを考慮して金額を決定します。
 ただし、原則として、相続開始後6か月以内に請求する必要があることに注意が必要です。
 「自分が請求できるのか?」などお悩みの方は一度弁護士にご相談ください。

 


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