亡くなった人に相続人がいない場合には、相続財産清算人が選任されます。利害関係人または検察官の請求で手続きが始まります。
まず、故人に請求権を持っている業者や個人、個人から遺産を遺言でもらうことになっていた人などが申し出できる期間が一定期間もうけられます。それらの申し出がなければ、次に特別縁故者の申し出が検討されることになります。
特別縁故者とは、①故人と生計を同じくしていた者 ②故人の療養看護に努めた者 ③その他故人と特別の縁故があった者です。(民法958条の2)
②について、家政婦、看護師など正当な報酬を得ている場合には、原則として特別縁故者には当たらないとされています。③については、たとえば、親族か他人かにかかわらず、長期にわたり関係があり、精神面、財産面などで援助をし、故人の生活の安定に貢献したような場合などが挙げられるかと思います。
清算人は特別縁故者にあたると判断した方へ、遺産の一部または全部を与えることができます。一部のみを与えて結局遺産が残る場合は、残余財産は国庫へ帰属します。
このような手続きになるので、ご自身に法定相続人予定者がおられず、かつ、実質的な特別縁故者がおられる方は、遺言書を作って財産配分を定めるとともに、遺言執行者を指定しておくことが残された方にとっては助かるかと思います。