ことのはぐさ

2021.08.10 弁護士 宮本亜紀|別居と婚姻費用の分担


 離婚をする時、離婚の条件について話し合い、離婚届に二人で署名押印して役所に届け出ることになりますが、お互いに冷静に全てを決めて別れるというのもなかなか困難です。離婚の話し合いがつくまで、とりあえず別居するということもありますし、一方的なDV(ドメスティックバイオレンス)で、とにかく家を出ないと安全が保てないという場合もあります。

 共働き夫婦も増えていますが、正社員の夫とパートの妻という形態も多いですし、社会的にも男女の賃金格差があります。このため、別居後に、妻が生活費に困ることはよくあります。

 しかし、離婚を前提として別居をしていたとしても、離婚前は夫婦であり、夫婦である以上はお互いに扶養義務があります。よって、収入が少ない一方が収入の多い他方に対して、生活費、すなわち婚姻費用の分担を請求することができます。その金額の相場は、インターネットで裁判所のホームページから、「婚姻費用算定表」を検索して、参考にすることができます。

 相手方が任意に支払いに応じないのであれば、家庭裁判所で婚姻費用分担調停を申し立てます。そして、調停で話し合いが付かない場合は、裁判所が審判で一定の金額を認定することになります。

 なお、こうした問題は離婚と同時に問題になることが通常ですが、婚姻費用分担調停は離婚調停と別のものですので、離婚と共に離婚に至るまでの生活費の支払いを求めたい場合は、別途婚姻費用分担調停を起こす必要がありますので、ご注意ください。


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