
講演会「東北大震災の復興に憲法の光を」のご報告
3月2日夜、西成区民センターにおいて、友の会主催の講演会「東北大震災の復興に憲法の光を」を開催しました。
東北大震災から1年を迎え、復興に向けての現状とこれからの課題を学び合うことが大切であるとの趣旨で友の会が企画し、講師には、兵庫弁護士会の津久井進弁護士をお迎えしました。同弁護士は、阪神大震災以降、震災からの復興問題のエキスパートとして幅広く活躍され、現在日弁連復興支援委員会の要職につかれており、まさに適任の講師でした。
参加者は110名で、会場は熱気にあふれました。
津久井弁護士のお話は具体的なエピソードも引用しながら幅広い分野にわたり、大変充実したものでしたが、そのごく一部をご紹介すると次のとおりです。
第1に、復興問題を憲法の視点で捉えていくことの重要性です。
損害の救済についての請願権を認めた16条、個人の幸福追求権を定めた13条、居住や職業選択の自由を認めた22条をはじめとして、憲法には復興の手がかりになる規定が盛り込まれていることを改めて見つめ直す必要があります。
第2に、復興を考える場合、「人間復興」を基本に据え、地元の要求に根ざし、地元住民の合意によって進めることの重要性です。
第3に、被災者にとっては忘れられることが最もつらいことであり、周囲の人間に求められるのは、被災者への共感を持ち続けることであるということです。
大阪に住む私たちは、被災地から距離的に遠く、ややもすれば他人事として考えてしまう危険がありますが、大阪にも、多くの避難者の方がいらっしゃいます。
津久井弁護士のお話を聞いて、改めて、震災からの復興を自らの問題として捉えていくことの必要性を痛感させられました。

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