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ことのはぐさ

2016.12.14 弁護士 岩田研二郎|死刑制度廃止宣言と弁護士会


 10月に福井県で開催された日弁連人権擁護大会で、日弁連が死刑廃止をめざすという宣言をしたことは、新聞にも報道されました。日弁連も、いままでは、死刑執行停止などの決議はしていましたが、今回、大きな一歩を踏み出しました。

 

 もちろん世論調査では、死刑制度は必要だという意見が多数を占めています。凶悪な事件が発生していることは今も昔も変わりません。
 しかし、死刑制度の一番の問題点は、裁判には誤判がありうるということで、誤判が判明しても死刑にすれば取り返しがつかない国家による人権侵害をおかしてしまうということです。

 

 日本でも、これまでに死刑囚が再審により冤罪とわかり、生還した事件が4つあります。免田事件(昭和58年無罪)、財田川事件(昭和59年無罪)、松山事件(昭和59年無罪)、島田事件(平成元年無罪)です。そして、いまも袴田事件では、死刑判決を受けた袴田さんに再審開始決定が出て審理中です。

 

 1965年に死刑を廃止したイギリスでも、夫が妻と子を殺した罪で死刑となった後に、真犯人が判明した事件が廃止運動のきっかけになりました。
 先進国の中で死刑制度を残しているのは、日本とアメリカだけですが、そのアメリカでも死刑を廃止する州が増加しています。その理由はやはり多くの誤判事件が明らかになってきたことです。

 アメリカでは、連邦最高裁の現在の判事の構成は、死刑について合憲4名,違憲4名ですが、次の大統領により指名される欠員1名の判事の考え次第で、死刑制度違憲判決が出る可能性があるようです。

 

 死刑制度があることが凶悪事件の発生を予防しているか(犯罪抑止効果)という点でも、死刑制度の廃止で凶悪事件が増加したというデータも存在せず、終身刑と比較して、死刑に抑止効果があるとは言えないと言われています。

 

 日弁連は、仮釈放のない無期刑という終身刑を導入することで、死刑に代わる最高刑を決めて、死刑を廃止していくことを提言しています。
 もちろん弁護士会の中でも、犯罪被害者支援の運動をしている弁護士からは、大きな反対論が出ていますが、裁判の誤判が起こりうることを一番知っている弁護士集団が声を上げることで、社会において、死刑廃止についての議論が始まることを期待して、さきのような提言がなされました。


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