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ことのはぐさ

2017.02.17 弁護士 岩田研二郎|遺族年金と内縁の配偶者


 内縁の配偶者には、遺産の相続権はありません。遺産を承継させたいと思う場合は、遺言書で内縁の配偶者に遺産を遺贈することを明確にしておく必要があります。
 厚生年金などの遺族年金はどうなるのでしょうか。
 遺族年金は、遺産相続とは異なり、厚生年金保険法3条2項で「(遺族年金の支給を受ける)配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者(以下「事実婚関係にある者」という。)を含む」とし、内縁の配偶者にも支給される場合があることを定めています。
 日本年金機構は、請求者の申立にもとづき、(1)請求者が、内縁関係(事実婚関係)であるといえるか、(2)生計同一関係であるといえるかを審査します。
 第一の「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」と認められるには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
 ①当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする「合意」があること。
 ②当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる「事実関係」が存在すること。
 つまり、戸籍上の婚姻関係ではなかったが、共に婚姻する意志を持って、夫婦としての共同生活を営んでいたという状況である必要があります。
  第二の「生計維持関係にある者」と認められるには、事実婚(内縁)の夫の死亡時において、下記の2つの要件を満たす必要があります。(厚生労働省年金局長通知)
(1)収入要件
  収入に関する認定に当たっては、次のいずれかに該当することが必要です。
  ア 前年の収入が年額850万円未満であること。
  イ 前年の所得が年額655.5万円未満であること。
   ※いずれも一時的な所得があるときは、これは除きます。
  ウ 前記のア、イに該当しないが、定年退職等の事情により近い将来(おおむね5年以内)収入が年額 

   850万円未満又は所得が年額655.5万円未満となると認められること。

(2)生計同一要件
  原則としては、両者が同居している必要がありますが、そうはいっても、同居を不可能とするやむを

 得ない理由(単身赴任、就学、病気療養等)がある場合もあり、内縁の夫との間に定期的な音信や訪問

 があり、また、内縁の夫からの経済的援助があったという事実が必要です。
  生計同一に関する認定に当たっては、次のいずれかに該当すれば生計同一と認められます。
  ア 住所が住民票上同一であるとき

  イ 住所が住民票上異なっているが、次のいずれかに該当するとき

  ○現に起居を共にし、かつ、消費生活上の家計を一つにしていると認められるとき
  ○単身赴任、就学又は病気療養等の止むを得ない事情により住所が住民票上異なっているが、生活

  費、療養費等の経済的な援助や定期的に音信、訪問が認められ、その事情が消滅したときは、起居を

  共にし、消費生活上の家計を一つにすると認められるとき


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