きづがわ瓦版

ことのはぐさ

2013.05.15 弁護士 小林保夫| 「 福島原発周辺で「動植物異常」相次ぐ- チョウやニホンザルなどに異常、研究者が被爆影響と指摘-」 ー道内容と私の意見ー


 東洋経済ONLINE4月3日版は、「福島市や全村民が避難を余儀なくされている福島県飯館村など、福島第一原子力発電所からの放射性物質で汚染された地域で、動物や植物に異常が多く見られることが研究者による調査で明らかになった。」として、以下のような調査・研究結果を伝えています。
私は、一種の義務感に突き動かされてこのニュースをみなさんに提供するものです。

 

 1 報告内容
 3月30日に東京大学内で開催された「原発災害と生物・人・地域社会」(主催飯館村放射能エコロジ-研究会)で研究者らがほ乳類や鳥類、昆虫、植物から見つかった異常について報告がされました。

 ① 「福島原発事故のヤマトシジミへの生物学的影響」(琉球大学理学部 大瀧丈二准教授)
日本国内にごく普通に見られる小型のチョウであるヤマトシジミを福島第一原発の周辺地域を含む東日本各地および放射能の影響がほとんどない沖縄県で採集し、外部被曝や内部被曝の実験を通じて生存率や形態異常の有無を調べ研究結果の報告です。
 2011年5月の採集で、ほかの地域と比べて福島県内のヤマトシジミでは、羽のサイズが小さい個体が明らかに多いこと、「地面の放射線量と羽のサイズを比較したところ逆相関が見られ、線量が上がっていくにつれて羽のサイズが小さくなる傾向が見られた」こと、捕獲した個体の子どもについて、「福島第一原発に近い地域ほど羽化までの日数が長くなる傾向が見られ、成長遅延が起きていたこと」、「沖縄のエサを食べた個体と比べ、福島県内の個体は死に方にも明らかな異常が多く見られた」ことなど「驚くべき結果が判明した」と指摘されています。
 なお報告者は、「これだけの実験では、遺伝性(異常がDNA損傷に基づくもの)であると断言するには十分な証拠とは言えない」とも説明したとも報ぜられています。
 この研究結果は、昨年8月に海外のオンライン専門誌「サイエンティフィックリポート」に発表され、フランスの大手新聞「ル・モンド」で大きく報じられるなど、世界的にも大きな反響があったとされています。

 ②「高線量遅滞周辺における野生動物の生態・被ばくモニタリング」(東京大学大学院農学生命科学研究科 石田健准教授)
 福島県阿武隈高地の中でも特に放射線量が高く、現在、「期間こんな区域」に指定されている浪江町赤宇木地区(福島第一原発から約25キロメートル)で2011年8月に野生のウグイス4羽を捕獲したところ、「うち1羽から今まで私自身、ウグイスでは見たこともないおできが見つかった」と報告されています。
 これまで350羽あまりを捕獲した経験のある石田准教授が驚くほどの病状で、このウグイスには血液原虫も寄生しており、捕獲したウグイスの羽毛を持ち帰って放射線量を測定したところ、セシウム134と137を合わせて最高で53万ベクレル/キログラムもの汚染が判明したとのことです。

 ③「福島県の野生ニホンザルにおける放射性セシウムの被ばく状況と健康影響」(日本獣医生命科学大学教授 羽山伸一)
 11年4月から13年2月にかけて福島市内で捕獲された396頭のサルと、青森県で12年に捕獲された29頭を比較、土壌中のセシウムの量と筋肉中のセシウム濃度の関係を検証したところ、「土壌汚染レベルが高いほど、体内のセシウム蓄積レベルも高い傾向があることがわかった。」などとの報告が行われたとのことです。
 「注目すべきデータ」として紹介されたのが血液中の白血球の数で、避難指示区域にならなかった福島市内のサルについては、外部被曝は年間数ミリシーベルト程度の積算線量にとどまるうえ、内部被曝量も10ミリグレイ程度にとどまるとみられるにもかかわらず、ニホンザルの正常範囲より白血球数、赤血球数とも減少しており、白血球は大幅に減少していたといいます。「特に気になったのが2011年3月の原発事故以降に生まれた子どものサル(0~1歳)で、汚染レベルと相関するように白血球の数が減っている。造血機能への影響が出ているのではないかと思われる」とコメントされています。
 同教授は、討論の中で、「本日の講演内容がにわかに人間の健康への研究に役立つかわからない。ただし、現在の福島市内のサルの被爆状況は、チェルノブイリの子どもたちとほとんど同じ水準。チェルノブイリの子どもたちに見られる現象がニホンザルにも起こったことが明らかにできればと考えている。」と語ったといいます。

 

 2 私の意見
 この記事は、たまたま、インターネットを検索する中で見付けたものです。
 これらの研究結果は、福島第一原発事故が、今後おそらく、放射能汚染による内部被曝の結果、人間についても何世代にもわたる遺伝的な影響をもたらすことを予測させるもので、社会的にも政治的にも最大級のニュースとして報ぜられ、受け止められるべき性質のものではないでしょうか。

 私は、日頃、朝日新聞(朝・夕刊)、神戸新聞(朝・夕刊)、毎日新聞(夕刊)しんぶん赤旗を読んでおり、しかも隅々まで(週刊誌の広告内容まで)丹念に目を通していると思いますが、私の記憶違いでなければ、このような研究発表の報道に接した記憶はありません。とくに「福島原発事故のヤマトシジミへの生物学的影響」(琉球大学理学部大瀧丈二准教授)は、外国ではフランスの「ル・モンド」をはじめ大きく報じられ、世界的に大きな反響があったとされていますが、国内の新聞・テレビなどで報じられた記憶がないのです。
 日本国内のメディアがこのような重大な研究報告を見落とすはずがないので、把握しながら、その深刻・重大な意味や社会的・政治的影響を恐れて報道を避けたとしか考えられません。
このような配慮に出て報道が行われなかったとすれば、それは犯罪的ではないでしょうか。


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