きづがわ瓦版

ことのはぐさ

2012.12.10 弁護士 古本剛之| 「核なき世界」に向けて脱原発を


 原発の廃止を願います。事故が起きたときの危険性のこともありますが、そもそも原発は非常にコストがかかるものです。よく、「原発は効率のよ いエネルギー」「火力発電よりコストが安い」などと宣伝されますが、これは発電時のコストのみを計算しており、全体のコストが反映されていません。原発で 生まれる放射性廃棄物の処理費用や運転を終えた後の廃炉の費用を加算するだけでも、相当割高になります。原発推進のための様々な交付金や広報費用などを加算すれば、全く経済的ではなくなります。更に、福島のような深刻な事故が起きたときの賠償金を含めれば、計り知れない高額なコストがかかることになります。

 なぜ、このようなコストのかかる発電方法を推進するのでしょうか。電力会社はコストは電気料金に上乗せできるし、国からの補助もあるので、損はしません。原発は、あくまで国が推進するから成り立つ発電方法です。

 国はなぜ、莫大な費用をつぎ込み、リスクを抱えてまで原発を推進するのでしょうか。経済効率が悪いことは明らかなのに、です。「火力発電は燃 料費が高い。原子力の方が安い。」などと言いますが、未だ処理の目処も立たない放射性廃棄物の処理費用が将来一体いくらかかるのか、とんでもない金額になることは明らかです(これは今原発をやめても必要になる費用ですが、原発を続ければ際限なく膨らみ続ける費用です)。今、原発のためにつぎ込んでいる費用を自然エネルギーによる発電の開発・促進につぎ込めば、自然エネルギーによる発電費用のかなりのコストダウンがはかれるでしょう(自然エネルギーは、もともと原料費は“ただ”です)。

 そもそも、最初に原発を始めた理由は何でしょうか。「原子力の平和利用」でしょうか。いくら平和な目的だと言っても、危険な原子力を、なぜわざわざ利用しなければならないのでしょう。原発が扱う「核の技術」、原発の運転によって生じるプルトニウム、これらが合わさって出来上がるものは、核兵器です。実際、今の日本は、物理的な条件面では、その気になれば数年内に核兵器を持てる状態にあると言えるでしょう(実際に持とうとした場合、政治面などで様々な障壁がありますが)。近隣の他国から見た場合、日本は「核を持つ可能性がある国」なのです。原発を続けるということは、「潜在的な核兵器保有能力」 を持ち続けることであり、核による抑止力を利用するということです。

 かつての冷戦時代が終わり、今はアメリカ大統領が「核なき世界」を目指すと提言する時代にさしかかっています。今更、核抑止力による「薄氷の 上の平和」の時代に戻してはいけません。「核なき世界」を目指す上で、つまり核抑止力を必要としない場合、大金を投じて原発を維持するなど全くナンセンス です。早急に、原発を廃止していくべきです。

参考文献
「原発のコスト-エネルギー転換への視点」大島堅一著(岩波新書)
「原発と原爆 『日・米・英』核武装の暗闘」有馬哲夫著(文春新書)


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