ことのはぐさ

2023.01.15 弁護士 森信雄|公正証書をつくる意味


 公正証書とは、当事者の意思表示や当事者間の合意内容などを明確にするために作成する公文書で、公証人という一定の資格をもった公務員が作成する書類です。遺言公正証書、離婚に伴う公正証書、任意後見契約公正証書、金銭や不動産貸借に関する公正証書など様々な種類があります。

 

 たとえば、金銭の貸借について公正証書を作り、貸したお金を返してくれない相手の財産を差押さえたい場合、通常は裁判を起こして判決などを得ることが必要になります。裁判となれば、判決に至るまで一定の期間を要し、裁判手続きを弁護士に依頼する場合はその費用もかかります。

 これに対し、債務の内容を特定し、債務不履行の場合には強制執行されてもやむをえない旨の文言(強制執行認諾文言)を入れた公正証書を作っておけば、裁判所の判決を得なくても、差押えなどの執行手続に入ることができます。

 貸金に限らず、慰謝料、養育費など、金銭の支払いを内容とする契約であれば、同様の効果があります。

 

 また、遺言をする場合、一番簡単なのは、自筆で遺言全部と日付を書いた上、署名押印すればいいのですが(自筆証書遺言)、内容が曖昧で争いが起こったり、遺言書を隠されたりする危険があります。法務局保管制度を利用すれば、遺言書を隠されたりする危険はありませんが、法務局では遺言内容の審査はしてくれません。

 しかし、遺言を公正証書にしておけば、法律の知識を持った公証人が作成に関わりますので、遺言を残した人の意思が実現できないという事態を避けることができ、原本が公証人役場に保管されているため紛失してしまっても復元してもらえるなど安心です。その上、遺言者死亡後、遺言書を家庭裁判所に提出して内容を確認してもらう検認手続きをする必要がないというメリットもあります。

 


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