ことのはぐさ

2022.08.10 弁護士 宮本亜紀|死亡した親の借金は相続しなければならないか?


 親が借金を残して死亡して、債権者から請求書が届いている場合、子の責任はどうなるでしょうか。

 相続人となった子は、親に属した一切の権利義務を承継することになるのが原則です。忘れがちですが、相続では、不動産、預貯金、有価証券などのプラスの財産のみでなく借金のようなマイナスの財産も相続の対象となります。ただ、相続したくない場合には、これを拒む方法があります。

 具体的には、全く相続しない「相続放棄」をすることができます。また、親の借金については相続財産で支払える限りで支払い、元から子が持っていた財産からは支払わないという条件付きの相続「限定承認」という方法もあります。ただし、いずれも子が自己のために相続の開始があったことを知ったときから、3ヶ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。 この期間内にこの手続をしないと、「単純承認」したとみなされ、原則通りに一切の権利義務を承継してしまいます。具体的にいつが3ヶ月の起算点になるのか、ケースによるので、ご自身の事案で具体的にいつが起算点になるのか、 弁護士にご相談ください。

 期間内に判断できない場合、家庭裁判所に相続放棄の期間伸長を申し立てることもできます。

 なお、第一順位の相続人の子が相続放棄した場合、第二順位の相続人は両親らとなり、第三順位の相続人は兄弟姉妹(場合により甥姪)となります。相続放棄をするか否かは、個々人で決められますが、完全に借金を免れるためには、順位に従って皆さんが相続放棄の手続をする必要があることにご注意ください。


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