きづがわ瓦版

ことのはぐさ

2010.12.16 弁護士 古本剛之 | イラク映画「僕たちのキックオフ」


  先日、「僕たちのキックオフ」というイラク映画(NHK共同製作)を観ました。イラク戦争後に作られた映画になります。イラク映画というのは、あまり観る機会がないのではないでしょうか。私は、初めて観ました。

  映画では今のイラクの姿が淡々と描かれています。主人公はフセイン政権で迫害されたクルド人で、サッカースタジアムで生活しています。そこには、同じよう に沢山の人たちが暮らしています。何度か政府の役人が来て、立ち退きを求めますが、住民たちは「ここを出ても、いくところがない」と、話は平行線です。
  時折、ヘリコプターが飛ぶ音が響き、住民たちはその音に、不安をたたえた険しい顔で空を見つめます。また、遠くから爆発音らしき音が聞こえることもあり、顔をしかめます。
  主人公の弟は、サッカー好きの少年らしいですが(ユベントス時代のジダンのレプリカユニフォームを着ています)、地雷で片足を亡くし、子どもたちがサッカーしているのを寂しそうに見つめる日々です。
  そんな中で主人公は、そのスタジアムでサッカーの大会をやろうと企画します。あちこち走り回って段取りをしていきますが、物が手に入らず、苦労します。民族的な対立もあり、一筋縄ではいきません。そんな状況の中でも決して悲観的にはならず、明るく希望を見いだそうとする姿が、印象的です。ともすれば、暗く陰鬱になりそうな状況に、さわやかな風を吹き込むような雰囲気があります。

  今のイラクの現実、そこに暮らす人々の姿を多少なりともうかがい知ることのできる映画だと思います。


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