きづがわ瓦版

ことのはぐさ

2007.07.12 弁護士 横山精一 | 団塊の世代に雇用の確保をーNTT雇用継続裁判について


 2007年6月28日、NTT西日本に働く11名の労働者が、大阪地方裁判所に裁判を起こしました。11名は、いずれも、NTT西日本を2007年3月に「定年退職」の扱いをされた人たちです。

  NTTには、60歳をもって定年退職とする旨の就業規則があります。会社は、この規程を根拠に、2007年3月末までに60歳を迎えた労働者全員につい て、定年の取り扱いをしました。しかし、NTTによる定年の取り扱いは、高年齢者雇用安定法に違反するものです。同法は、経営者に対し、65歳までの雇用を確保することを義務づけています。これは、年金の支給年齢が60歳から65歳に延長されたことに伴い、年金の支給されるときまで、労働者の雇用を確保することを目的としています。また、高齢化社会を迎え、高年齢層の長年にわたり培った技量を活かしていくことは、今後の日本の経済力を支える力として、重要な役割を果たすことになります。

  この法律により、経営者は、雇用確保の方法として、①定年の引き上げ、②継続雇用制度の導入、③定年制の廃止の3つのいずれかの措置を講ずることが義務づけられています。しかし、NTTは、いずれの措置もしておらず、高年齢者雇用安定法に違反することは明らかです。

  これに対して、NTTは50歳の段階で子会社に行けば、子会社では65歳までの継続雇用が認められているので、継続雇用制度が導入されていると主張してい ます。しかし、この主張には裏があります。子会社に移った労働者は、従来と比べ、給料を30%程度低く抑えられることになります。これによれば、51歳か ら60歳までの10年間について、給料を30%下げられる覚悟がなければ65歳までの雇用が確保されません。例えば年間800万円の給料を受け取っていた労働者は1年間で240万円、10年間では2400万円もの給料の減額を覚悟しなければ、65歳までの雇用が確保されないのです。

  継続雇用制度とは、「現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう」と法律には規定されていま す。「希望する」という言葉が入っている以上、高年齢者が、夢を持って自主的に選択できるような制度でなければならないでしょう。しかし、NTTの用意している制度では、10年間30%もの賃金カットをガマンしなければ65歳までの雇用が確保されません。これでは、とても、労働者が夢を持って希望するような制度であるとは言えません。

  11名の60代の労働者は、団塊の世代の代表として、このようなNTTの理不尽な取り扱いを辞めさせるため、裁判を提起しました。この当然の要求が裁判所で実現されるよう、がんばりたいと思います。


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